田中会長開催挨拶(要旨)
敗戦後70周年にあたり安倍内閣は、新たな談話を発出するとしているが、どのような声を発するのか、中国・韓国など隣国とどう関係を改善するのか、世界が注目している。戦後70年の道のりを振り返るとき、平和国家であると同時に、歴史の記憶がしっかりと伝えられていないことは残念だ。昨日、ドイツのヴァイツゼッカー元大統領亡くなられたが、彼の生前の名言「過去に目を閉ざす者は、現在も見えなくなる」(注)の中の意味を我々は深く認識する必要がある。日本政府が今年のような記念すべき節目の年に、世界に銘記される正しい声を発するよう希望しています。(2015年2月1日)
*注:ドイツの敗戦40周年にあたる1985年5月8日、ドイツ連邦議会で行った記念演説の一節。『(ドイツ人は)罪の有無、老幼いずれを問わずわれわれ全員が過去を引き受けねばなりません。だれもが過去からの帰結に関わり合っており、過去に対する責任を負わされております~問題は過去を克服することではありません。さようなことができるわけはありません。後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。しかし過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、また、そうした危険におちいりやすいのです。ユダヤ人は今も心に刻み、これからも常に心に刻みつづけるでしょう。われわれは人間として心からに和解を求めております。まさしくそのためにこそ、心に刻むことなしに和解はない、という一事を理解せねばならないのです』(全訳文は岩波ブックレット「荒れ野の40年」に)